さっぽろ喫茶店グラフィティー Web版

さっぽろ喫茶店グラフィティー余話2023②――和田由美

 先だって、北大エリアにある真っ白なノレンが目印の「コーヒー屋さん 月祭(つきさい)」へ、初めて立ち寄ってみた。

 4つある向かい合わせの2人席(入口側)に座ると、小さいライトが柔らかな光を放つカウンター席(2人用)が眺められBGMに流れるクラシック音楽も清しく心地良い。

 壁に掛かった1枚の絵も素朴で、何かと疲れる都会生活の憂さを晴らしながら、一杯のコーヒーを心ゆくまで楽しめる空間だった。

 女性店主が、手回しの焙煎機で自ら焙煎するコーヒーは、その日のスペシャルがお勧め。手づくりにも似た厚めで無骨なコーヒーカップで味わうと、なぜか在りし日の伝説の珈琲店「イレブン」が思い出されたりして…。

 コーヒーは割に濃い目ながら後味はさわやか、春風のように優しく私の味蕾を通り抜けて行った。手づくりのきなこわらび餅も素朴な味わいで、好きだなあ、こういう店。

■札幌市北区北13条西3丁目 営業/9時半〜17時、定休/日・木曜


バックナンバー

▶ さっぽろ喫茶店グラフィティー余話①