2023年6月10日、道内主要書店で発売!

 

北海道 大地の理(ことわり)

北の鼓動に耳を澄ませて

秋野禎木/著

定価1,430円(本体1,300円+税10%)
四六判並製
120ページ
ISBN 978-4-906740-55-0 C0031

〈北海道スタンダード〉を生み出した勇気と気概

北海道庁職員時代に、時のアセスメントや狂牛病全頭検査、北海道遺産など、全国から注目を集めた〈北海道スタンダード〉ともいえる数々の政策を打ち出した元副知事の磯田憲一。本書はその軌跡をたどる新聞連載を大幅に改稿したノンフィクションです。道庁を離れてからも「君の椅子プロジェクト」など、人々の心を打つ取り組みを続けてきた磯田は道職員時代、官製談合や狂牛病対応など、押し寄せる難題に真正面から向き合い、北海道が進むべき進路を探ってきました。北海道独自の価値観を発信したあの時代を振り返ることは、かつての政策や事業の意味をたどるだけでなく、北海道の過去と未来を見つめ直す機会になるはずです。北海道大学公共政策大学院・山崎幹根教授による解説も掲載。

目次

プロローグ
見つめ直した、北海道の力
言葉を響かせ、常識に挑む
ファイト! 道文化振興条例
時のアセス──行政の〝無謬神話〟に風穴を開ける
「試される大地。」──生き方を問う
官製談合絶つ対策、次々と
狂牛病対応、情報開示貫く
「北海道主義」掲げ知事選へ
「君の椅子」という名の小宇宙
エピローグ

磯田憲一プロフィール
〈北海道 大地の理〉特別寄稿
・中西拓郎「「試される大地。」という誇り」
・山崎幹根「北海道スタンダードを目指して──解説に代えて」

「はじめに」より

磯田憲一さんの歩みを連載記事で書き留めておきたいと思い始めたのは、私が三十六年余り勤務した新聞社の退職が一年後に迫ったころだった。
磯田さんといえば道職員時代、「時のアセスメント」など数々の注目される施策を打ち出し、その名を広く知られた政策マン。道庁を離れてからも「君の椅子プロジェクト」など、人の胸を打つ取り組みを続けてきた。
私が記者として磯田さんの取材をさせてもらうようになったのは二十数年前だが、磯田さんはいつも、押し寄せる難題に真正面から向き合い、悩みながら、闘いながら、進むべき針路を探っていたように思う。
その姿を改めてたどることは、さまざまな政策や事業の意味を振り返るだけでなく、私たちが歩いてきた時代、そしてまた、この北海道に流れていた時間を見つめ直す契機にもなるかもしれない、そんな思いもあった。

著者プロフィール

秋野禎木(あきの・ただき)
1959年(昭和34)、北海道小平町生まれ。札幌開成高校、北海道大学経済学部卒業。高校、大学ともに野球部に所属し、北海道大学では1981年秋の北海道六大学リーグで最優秀投手賞、ベストナインを獲得。1983年、朝日新聞社入社。主に北海道報道部の遊軍記者として活動し、同部次長、東京編集局生活部次長なども務めた。2019年(令和元)10月、朝日新聞社を退職後、北海道大学野球部監督に就任。