戦後間もない大阪の下町を舞台にした、青春ラプソディー

 

通天閣の消えた町

沓沢久里/著 ささめや ゆき/画

本体1,600円+税
四六判ソフトカバー
240ページ
ISBN 978-4-906740-28-4 C0026

第51回「北海道新聞文学賞 創作・評論部門」受賞!

  • 2017年、第51回「北海道新聞文学賞 創作・評論部門」を受賞した連作小説集。戦後間もない大阪の下町を舞台に、ひとりの少女が逞しく成長する姿を、札幌在住の著者が自らの半生に重ねて綴ったものです。
  • 「面白さや小説的力量が抜群」(文芸評論家・川村湊)、 「85歳という作者の年齢を考えると、巧まずして歴史の一証言にもなっている」(作家・久間十義)、「『ういういしさ』と『知性』がかよい合っているのが新鮮」(作家・李恢成)と、選考委員全員から高く評価されました。
  • 物語は、戦時中の火災で通天閣を失ったものの、人々のエネルギーが渦巻く大阪・阿倍野から始まります。そこを舞台に、疎開先から戻った主人公・昌子の、高校入学から大学受験、学生運動、そして恋を経て逞しく成長していく姿がつづられます。大阪下町の人情と人々の触れ合いに心揺さぶられる、「大阪・青春ラプソディー」をどうかご一読ください。

目次

通天閣の消えた町
待兼山ラプソディー
おとうと

著者プロフィール

沓沢久里(くつざわ・くり)
大阪市生まれ。1954年(昭和29)、大阪大学法学部卒。結婚後、東京、函館を経て、1969年(昭和44)より現在まで札幌に在住。同人「昴の会」代表。2004年(平成16)より、札幌市民芸術祭・市民文芸委員を努める。