2019年7月12日、書店発売!
三角山放送局 読むラジオ
らむれす/編著
本体1,500円+税
B5判変型オールカラー
96ページ
ISBN 978-4-906740-37-6 C0065
札幌・西区のコミュニティFM局、20年のキセキ
はじめに
この本の企画は、三角山放送局の創業者木原くみこが「ALSのたわごと」でパーソナリティを務める米沢和也さんの取り組みについて、活字にまとめたいという思いからはじまりました。
ちょうど開局20年の節目でもあり、編集をお願いした亜璃西社の和田由美さんから、三角山放送局の20年史も加えてみてはどうか、とのご助言をいただき出版準備に入ったのが、2018年夏の終わりでした。
以下、本書の出版にあたって、木原くみこが記した文章を転載します。
皆様に支えられ、三角山放送局は2018年4月1日に開局20周年を迎えることができました。心より御礼申し上げます。これを機に、このたび弊社初の出版に挑戦することを決断いたしました。タイトルは「読むラジオ」。日々放送しているラジオ番組を読み物にすることで、新たな発見が生まれるのではないかという試みでもあります。内容は、障がいのある人々と共に歩いた三角山放送局20年の軌跡です。特に現在の活動の中から、番組「ALSのたわごと」の4年に渡る奇跡的な放送活動を、「読むラジオ」として再編します。そして、三角山放送局を支える約150名の出演者を、「パーソナリティ名鑑」として紹介していきます。書店や通販でも発売し、一人でも多くの方に読んでいただけるよう準備しております。
「ALSのたわごと」がどのようにして作られているのか―。ラジオ番組を続けるにあたり、たくさんの方々のサポートをいただいていることへの感謝を込めて、世界中のALS関係者にこの活動を知っていただきたいと考えたのです。もちろん、そこには米沢さんの病への向き合い方を広くお伝えしたいという思いがありました。
打ち合わせの中で開局当時の話が出ると、苦労した出来事やピンチの連続ばかりが思い出されます。コンサートイベントで大赤字を出した開局年のエピソードも〝緑の芝生事件〟などと笑って話し、「開局した98年前後は、その準備が大変で一つひとつのイベントに目が届かなったのよねえ」などと、振り返っていました。
2019年1月2日、木原くみこは闘病の末、67歳で亡くなりました。輸血のため、2018年11月6日に入院し病状が悪化、年を越した後に帰らぬ人となりました。この本には、入院の前日11月5日に撮影した木原くみこの写真や、インタビューの様子が収められています。3日間でまた戻ってくるはずだった木原の笑顔が弾けています。
20年を振り返りながら感じるのは、木原が作った三角山放送局は、たくさんの方々に育てていただき、なんとか成人を迎えられたのだなあ、ということです。
古くから応援いただいている方も、今初めて三角山放送局を知った方も、みなさんに感謝を込めて、この本を届けられることを嬉しく思います。そして、完成を心待ちにしていた木原くみこに、この本を捧げます。
令和元年6月末日
(株)らむれす 三角山放送局 社長 杉澤洋輝
目次
プロローグ
三角山放送局の一日って?
01●三角山放送局の基礎知識
三角山放送局ができるまで
インタビュー・木原くみこ
コミュニティ放送って何?
02●声を失っても、ラジオを続けたい
ALSのパーソナリティの挑戦を綴った「読むラジオ」
Pick up Message 三角山放送局と私
Event History 1998-2018
03●三角山放送局の足跡
年史1987-2018
三角山グラフィティー① 今だから話せる裏話
開局当時のタイムテーブル
最新タイムテーブル
三角山グラフィティー② ラジオな日々のあるある話
04●三角山放送局を支える人々
パーソナリティ名鑑
三角山放送局のスタッフ
三角山MEMORIES 伝説のパーソナリティ
追悼エッセイ「貴女は、戦友だった。」和田由美
中田美知子さんによる弔辞
編集を終えて
三角山放送局あれこれ
著者プロフィール
らむれす
1988年開局の札幌市西区を中心とするコミュニティ放送「三角山放送局」を運営する株式会社。ステーションコンセプト「いっしょに、ねっ」をテーマに、ラジオを通して地域に根ざし、人にやさしく、そして心に響く放送を発信。障害者や女性、子供などの社会的弱者はもちろん、誰もがマイクの前で自分の思いをはっきり、しっかり伝えることができるラジオを目指す。