自由で気ままな「老いの時間」。

 

人生、70歳からが愉しい

中村嘉人(なかむら・よしひと)/著

本体1,500円+税
四六判ソフトカバー
200ページ
ISBN 978-4-900541-88-7 C0095

自由で気ままな「老いの時間」

  • カラダはいよいよガタが来て、「痛ッ痛ッ」と悲鳴をあげることもしばしば。それに、すぐ疲れる。でも、この世は一向に嫌にならない……。
  • 仕事をリタイアし、時のクビキから解き放たれた70代からの自由で気ままな生活。そんな「老いの時間」を愉しむ秘訣を、80代の著者が飾らず洒脱につづる。
  • 「日刊ゲンダイ」北海道版の好評連載を一冊にまとめた、小粋なエッセイ集。

本文より

 時のクビキから解き放たれたのは70。気ままに使える時間というのは、なんと有り難いものか。
 ゆっくりヒゲを剃る自由! のんびり歯をみがく自由! ああ、自由っていいもんだ。(中略)
 私は毎朝、人生がどんなにいいものかを思い起こす。これは私の最高の贅沢のひとつだ。

目次

◇第一章 朝、目が覚めたら
第一話*排泄の快楽/第二話*たかがカミソリ、されど……/第三話*ウェットか、ドライか/第四話*歯ブラシを愛する理由/第五話*浪漫風

◇第二章 いと小さきもの達よ
第六話*靴磨きが好き/第七話*世紀の大発見/第八話*鉛筆削りの肥後守/第九話*遠ざかる昭和の足音/第十話*いと小さきものよ/第十一話*おもちゃカメラ

◇第三章 いくつになっても新しい人生がある
第十二話*歩け、歩け/第十三話*「吉」ばかりとは限らない/第十四話*ギオン管シンドローム/第十五話*タマ子観音/第十六話*妖怪変化/第十七話*指が動いた!/第十八話*病気もまたよし

◇第四章 正餐
第十九話*老いの価値/第二十話*食味茫々/第二十一話*中川鮮魚店/第二十二話*魚の香り/第二十三話*いい汗をかくために/第二十四話*正餐の儀式/第二十五話*そば屋酒

◇第五章 女探偵と私
第二十六話*半歩遅れの読書/第二十七話*真紅のショールのヴィク/第二十八話*ウーマン・リブと女探偵/第二十九話*女探偵とセックス/第三十話*キンジー・ファンの心理/第三十一話*ミステリー界の超ベストセラー/第三十二話*料理は最高の贅沢

◇第六章 カレーの快楽
第三十三話*カレー遍歴/第三十四話*カレーと唐辛子の旅路/第三十五話*カリとカレー/第三十六話*五島軒のカレー/第三十七話*カレーうどんの料理人

◇第七章 心はいつも旅の空
第三十八話*旅へ/第三十九話*琵琶湖周遊/第四十話*湖愁巡礼/第四十一話*旅のおわりに/第四十二話*娘と私/第四十三話*駅で調達する京の老舗弁当

◇第八章 生きているのが面白い
第四十四話*月も朧に白魚の/第四十五話*年をとってわかったこと/第四十六話*江戸のアウトロー/第四十七話*悪の華

◇第九章 今はあの頃よりずっと若い
第四十八話*老いと上手につきあう法/第四十九話*外出カバン/第五十話*足の裏 /第五十一話*鼻呼吸/第五十二話*あの日、夜霧がたち込めていた

著者プロフィール

中村嘉人(なかむら・よしひと)
 1929年、函館市生まれ。旧制函館中学を経て、旧制弘前高校文科卒、大阪大学経済学部卒。雑誌編集、会社経営などを経て文筆業に入る。札幌市在住。道銀文化財団副理事長。堀江オルゴール博物館常務理事。「さっぽろ市民文芸」編集長。日本文芸家協会会員。著書に『ロマノフ家のオルゴール』(未来社)、『時代小説百番勝負』(筑摩書房)、『定年後とこれからの時代』(長谷川慶太郎との共著、青春出版社)、『経営は人づくりにあり―日立ソフト・成功の秘密』(PHP研究所)、『池波正太郎。男の世界』(PHP研究所)、『大衆の心に生きた昭和の画家たち』(PHP新書)、『郷愁の時を訪ねて クラシックホテルの物語』(MGコーポレーション)等、多数。